本研究は,マイクロ・ナノスケールの蛇行流路内の粘弾性流体流れについて,流れの可視化とPIV計測,流体の粘弾特性評価,圧力損失測定,平均と局所の熱伝達率測定,さらに3次元熱流動計算をそれぞれ行い,流路内の流れの不安定性と熱流動特性を明らかにした.流路内には1つ渦と双子渦が形成され時間的にも渦構造が変化するが,他者が報告する粘弾性乱流とは異なることを示した.実際は壁面近傍での法線応力に起因する非定常層流流れが湾曲の編曲により増幅される.一方,低レイノルズ数条件下ではニュートン流体と比較して混合と伝熱性能は向上し,異なる物性の流体の場合を含めて,伝熱と圧力損失特性を無次元量で整理することができた.
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