研究課題
音声や映像をインターネットを介して遠隔地間の多人数で共有し,遠隔会議やソーシャルゲームなどの社会活動を行うことは,近年日常的に行われている.それらの技術はこれまでのコミュニケーションのあり方を一変させたとも言って過言ではない.しかしながら,人間の五感の一つである触覚(力覚)を集団的に共有し,社会的な活動に反映させた事例はこれまで世界的に見られない.これは,インターネットで生じる時間遅延が力学的閉ループを不安定化させるため,適切な力覚制御が困難なためである.本研究はこれらの問題を克服して制御ループを安定化させた上で,世界中で操作者間の力覚を共有し,音声・映像に続く第3の感覚共有によるコミュニケーションを目指すものである.本年度の研究成果として,1.大規模遠隔制御実験のプラットホームを構築した.サーバ側はリアルタイムリナックスOSをベースとしたサーバとしての使用に適したシステムで,クライアント側は力覚共有マウス30台からなる.多くの人々が参加できるプラットホームの完成により,遠隔地間力覚共有アプリケーションというこれまでにない新ジャンルのコンテンツの評価を幅広い視点から行えると共に,実験範囲の拡大によって我々の提案する制御アルゴリズムの安定性・ロバスト性が明らかにできる.さらなる研究成果として,2.従来の投票によるデジタル的意思決定と本アナログ的意思決定の比較を行った.多人数による遠隔地間力覚共有デバイスはこれまでに無いメディアであるため,その社会的インパクトは大きいものと推測される.本デバイスによるアナログでリアルタイムな集団的意思決定と,従来の投票によるデジタル的意思決定の違いなど,興味深い実験結果が示唆された.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Journal of Robotics and Mechatronics
巻: 26(1) ページ: 112-114
日本バーチャルリアリティ学会論文誌
巻: 19(4) ページ: 559-569
http://www.syscon.me.tut.ac.jp/nct_partnership/index.htm