研究課題/領域番号 |
24360095
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 弘明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50283635)
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研究分担者 |
金田 さやか 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60605567)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自律型無人ヘリコプタ / 3次元地形情報収集システム / 複合航法システム / 環境適応飛行制御 / ロバストデータ同化 |
研究概要 |
サブテーマ(1)では,適応的に飛行姿勢・速度を安定化させるだけでなく,測定結果への影響を最低限に抑えるために,適応方位角制御が有効であることを確認した. サブテーマ(2)では,非同期観測複合航法システムを構築し,異なるセンサの併用を容易にするだけでなく,推定精度を最大限に高めることができることを確認した.また,前年度に提案した姿勢の最小次元表現である一般化Rodorigues Parametersを用いる姿勢推定機構ではその時間積分誤差に対してその次数が大きく影響を与えることを明らかにし,推定に用いる最適な次数の存在を明らかにした. サブテーマ(3)では,スムージング処理では,サブテーマ(2)で研究・開発を行う再帰アルゴリズムによる複合航法と同様に,GPS測位データの飛びに対しては脆弱であることに着目し,特異スペクトル解析,非負値スペクトル解析により観測データの補正方法を検討した. また,機体ハードウェアの改良を行い,重量や電源の安定性の問題を解消し,高精度ジャイロを機体に搭載し,飛行実験により上記研究成果の検証を行うシステムを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元地形情報システムの核である非同期観測複合航法システムの基盤を確立した.また,これまで用いられてきた単位Quaternionを姿勢表現にする航法システムでは,最尤推定過程には不要な正規化過程が原因となって姿勢推定精度が劣化あるいは推定が不安定化することが知られていたが,一般化Rodorigues Parametersを用いることにより,それらの問題点を解消した.さらに,一般化Rodorigues Parametersを用いる姿勢推定機構では最適な次数が存在することを明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
最適次数の一般化Rodorigues Parametersを用いた非同期観測複合航法システムを構築し,飛行実験によりそのデータを収集し,検証を行う. また,実験データを用いてロバストデータ同化法の検討を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初購入を予定していたジャイロが機体電源の安定性不足のために使用することができなかった. 機体電源のこれ以上の安定化は困難であることから,バッテリ追加や電圧降下に頑強なジャイロの検証を昨年度行った.その結果として,無人ヘリコプタのメーカーが機体に取り付けている光ファイバージャイロであれば安定動作することが確認できたが,本研究が要求するサンプリングレートを満足しないことが分かった.メーカーより情報提供を受けたところ,改造することにより,当初設けた基準を満足できることが判明した.そこで,今後は光ファイバージャイロの改造ならびに機体取り付け,飛行実験などに経費を使用する予定である.
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