力を制御量あるいは操作量とする制御系設計理論はアカデミアにおいては古典的であり,数々の有用な手法を予言する.しかしこれらの手法は,ハードウェアの不完全性(機構弾性,摩擦,無駄時間,ノイズ,トルク飽和など)に敏感であり,実装上の様々な問題を生む.本研究では,不連続な微分方程式(微分包含式)にもとづく新しい制御・推定理論群と,これまでアカデミアで蓄積されてきた力制御の理論的研究を融合することによって,現実のハードウェアの限界に対して頑健な力制御の新しい実装理論群の確立を目指した.特に,大出力な操縦型ロボットの実現を長期的目標に設定した上で,そのための各種要素技術の開発を網羅的に行った.
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