研究課題/領域番号 |
24360099
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
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研究分担者 |
林 憲玉 神奈川大学, 工学部, 教授 (10318769)
橋本 健二 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (10449340)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ロボティクス / ヒューマノイド / 2足歩行 / 歩行解析 |
研究概要 |
本研究課題では,三次元歩行解析に基づき人間の運動制御系をモデル化し,外見だけでなく制御の点からも人体運動が模擬可能な2足ヒューマノイドロボットを開発することを目的としている.平成25年度は,以下の3点について研究を推進した. 1.軟弱路面での歩行解析:脚接地面が変形する軟弱路面において,人間の歩行運動をモーションキャプチャシステムで計測した.歩行解析の結果から,①歩幅と歩隔に有意差はないが軟弱路面では足上げ高さが高くなる傾向がある,②剛体路面と軟弱路面において左右方向の重心動揺に有意差がない,という2つの知見を得た. 2.歩行解析に基づく軟弱路面歩行安定化制御の開発:歩行解析結果で得られた知見から,左右方向の重心位置を安定化する制御法を考案した.これは,片脚支持期には足関節でトルクを発生することで重心位置を安定化し,両脚支持期には各足の床反力を目標床反力に収束させるように脚長を修正することで,重心位置の安定化を図るものである.実際にロボットを用いた歩行実験より,軟弱路面において足踏み動作と前進歩行を実現した.また,剛体路面歩行時と軟弱路面歩行時において重心動揺に有意差がないことから,本提案手法の有効性を確認した. 3.狭い歩隔と爪先開きが実現可能な下腿機構の開発:現在のロボットは下腿部のサイズが人間よりも大きいため,歩行時の歩隔は180[mm]と広く,人間と同じような90[mm]という狭い歩隔が実現できない.そこで,人間と同程度の外形寸法を有し,歩隔を狭めることが可能な下腿機構を開発した.また,足関節にYaw軸を追加したため,人間と同様に12[deg]という爪先開き角も模擬することが可能になった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,三次元歩行解析に基づく歩行安定化制御が開発でき,狭い歩隔と爪先開きという水平面での人体運動が模擬可能な下腿機構も開発できたため,順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までに三次元歩行解析に基づく歩行安定化制御の開発とハードウェアの改良が完了したため,平成26年度は実際に2足ヒューマノイド・ロボットを用いて福祉用具を評価する.また,一部の感覚器官の情報を欠落させるなどし,障害歩行が再現可能か確認する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果を発表した国際会議が東京や秋田といった国内で開催されたため,旅費が当初計上していた金額よりも少なくなった. 平成26年度は,参加予定の国際会議がアメリカやブラジルで開催されるため,そのための旅費に使用し,また学術雑誌への投稿に必要な費用に充てる.
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