研究課題
本研究課題では,三次元歩行解析に基づき人間の運動制御系をモデル化し,外見だけでなく制御の点からも人体運動が模擬可能な2足ヒューマノイドロボットを開発することを目的としている.平成26年度は,以下の2点について研究を推進した.1.踵接地・爪先離地歩行が可能なオンライン歩行パターン生成法の開発:従来のオンライン歩行パターン生成法は,踵から着地し,爪先から離れるというヒト特有の歩行に対応ができなかった.そこで,歩容を「踵接地-足底接地」「足底接地-踵離地」「踵離地-遊脚期」の3つに分割し,それぞれの区間のロボットの動きを倒立振子でモデル化することで,踵接地・爪先離地歩行が可能なオンライン歩行パターン生成法を開発した.シミュレーションと実機での実験を通して,その有効性を確認した.2.着靴可能な人間形足部機構の開発と各機械的特性が歩行に与える影響の調査:ヒト足部のアーチ構造と足裏の皮膚の機械的特性を模擬し,着靴が可能な足部機構を開発した.アーチ構造を回転ばね・ダンパ系でモデル化し,ヒト足部の皮膚を圧縮方向とせん断方向に弾性をもつ弾性体としてモデル化した.アーチ構造の弾性の模擬は,高さの異なる2種類のばねを並列に用いることで実現した.足底の機械的特性に関しては,せん断弾性特性に関する先行研究を見つけることができなかったため,専用の測定装置を開発し,足裏のせん断弾性測定実験を行い,目標値を11.2N/mmと定めた.最終的に,厚み8mmの人肌ゲル(超軟質ウレタン造形用樹脂)を用いて,皮膚の機械的特性の模擬を実現した.さらに,靴が歩行に与える影響を調査できるように,開発した足部機構は靴を履けるような形状になっている.2足ヒューマノイドロボット実機での実験を通して,アーチ構造や皮膚,靴が歩行に与える影響を検証した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Robotics, Networking and Artificial Life
巻: Vol. 1, Issue 4 ページ: 261-264
International Journal of Advanced Robotic Systems
巻: 11:139 ページ: -
10.5772/58731
http://www.takanishi.mech.waseda.ac.jp/top/research/wabian/index_j.htm