研究課題/領域番号 |
24360106
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
伊東 淳一 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90377218)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パワーエレクトロニクス / 半導体電力変換 / 高周波電源 / 磁気共鳴現象 / 充電器 |
研究概要 |
電気自動車の普及拡大を目的とし,いつでも,どこでも,誰にでも電気自動車を充電できる充電器を開発する。現在の充電器には下記の問題がある。(1)ケーブルが重く女性や高齢者にとってプラグの装着が難しい。(2)雨の日は感電の危険が高まる。(3)家庭で充電する際の充電忘れ。これらの問題を解決する有力な手段として,電力線を用いずに電力を伝送するワイヤレス給電がある。そのために,磁気共鳴によるワイヤレス給電技術を導入し,充電コードなしに電気自動車を充電する技術を開発する。磁気共鳴技術は高周波を利用するため,高効率で小型,安価な高周波電源を開発しなくてはならない。そこで,本研究では,交流から直接所望の交流電力に変換できるマトリックスコンバータ技術を適用し,小型・高効率化,低コスト化を実現する。 今年度は主に単相入力100kHz級電源に提案方式を搭載し,ゼロクロスポイント検出の遅れの影響や,PDM方式の出力電圧スペクトル,入力高調波などの評価を実験により行った。 また,本研究室は詳細な電力変換器の損失シミュレーション,解析技術を行った。 以上から,3%従来に比べ,高い周波数領域にスペクトルが分布していることを確認している。この結果,フィルタを従来に比べ1/2以下に低減できる。 また,ワイヤレス給電用のMHz級の高周波電源を試作した。ワイヤレス給電のテストベンチを作成し,電力伝送試験を行い,伝送効率を評価した。 1-2MHzの場合,13MHzにくらべアンテナが大型化するが,周波数が低いため電力変換回路の効率や放射磁界の点で優位である。本装置が実用化できれば,ワイヤレス給電の第1段階の普及に大きな貢献を果たす。さらにプロト機1の問題点をフィードバックしながら,三相入力6MHz級のプロト機2-1を設計,試作する。その成果は,電気学会や米国電気学会(IEEE)の国際会議や学術雑誌を中心に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験装置の仕様は実験設備や工程短縮の都合により見直しているが,原理的な検証および実験の評価ほ,ぼ当初の計画通りできており,順調に研究を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
先期に設計,試作した三相入力MHz級のプロト機2-1について効率および損失分析評価を行い,問題点を抽出する。また,電力変換器の損失しむレーションおよび解析技術をつかって,実験と理論を比較し,最適設計法を確立する。 さらにプロト機2-1を改造して,高周波動作に対応したプロト機2-2を試作し,13MHz級での動作を行い,その動作検証する。特にGaNやSiCなどのワイドバンドギャップデバイスを適用し,高周波電源においてその有用性を確認する。またそのせいかは電気学会やアメリカ電気学会(IEEE)の国際会議や学術雑誌を中心に発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試作した高周波入力の電力変換回路の改造を予定したが,新たに検討すべき点が見つかり,実験の評価項目を追加したため,回路の改造を次年度に繰り越した。 高周波入力の電力変換器の効率改善ための改造に使用する。具体的には半導体スイッチング素子や受動部品(コンデンサやリアクトル)などの電子部品を購入数する。
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