研究概要 |
本研究の目的は、CPUに代表される低電圧大電流で動作するLSIにおける電力変換器による省エネルギー化である。LSIの省エネルギー化においては、LSI待機と能動モードの切換えを高速かつ頻繁に行う必要があり,ゲインを大きくして制御性を高める必要が増してくる。 そこで、低損失な電力変換器においても制御可能な,過渡状態も含めた全ての動作毎に、その場の安定性ではなく全体の振る舞いにとって最適なゲインを設定する方式を考案した。スイッチング電源のフィードバック制御ゲインを必要とされる過渡応答時のみに増大し,不安定状態あるいはその臨界で動作させ、外部条件や回路の状態に対応して変えて制御する方式についてシミュレーションによる解析を進め,過渡状態も含めた全ての動作毎に、その場の安定性ではなく全体の振る舞いにとって最適なゲインを設定する方式を提案し,シミュレーションにより動作を確認すると共に動作アルゴリズムを明確にした。 また、並行してフィードバック制御ゲインの増大に頼らず,過渡時はニューラルネットワークを用いた機械学習により得られた制御則を高速応答のために適用するという手法により、過渡応答時の収束の大幅な改善を図るという新しい手法について研究し,シミュレーションにより提案手法の有効性について動作を確認した。 さらに、提案方式の試作回路をDSPボード等を用いて作成し動作確認を行うことで,提案手法の有効性および問題点・改善点について検証を行った。
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