研究課題/領域番号 |
24360112
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
黒川 不二雄 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20140808)
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研究分担者 |
谷内 利明 東京理科大学, 工学部, 教授 (90349845)
柴田 裕一郎 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10336183)
丸田 英徳 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00363474)
西田 保幸 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70237709)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ディジタル制御 / 電力変換器 / 低損失 / 高速応答 / DC-DCコンバータ |
研究概要 |
本研究の目的は、CPUに代表される低電圧大電流で動作するLSIにおける電力変換器による省エネルギー化である。LSIの省エネルギー化においては、LSI待機と能動モードの切換えを高速かつ頻繁に行う必要があり,ゲインを大きくして制御性を高める必要が増してくる。そこで、低損失な電力変換器においても制御可能な,過渡状態も含めた全ての動作毎に、その場の安定性ではなく全体の振る舞いにとって最適なゲインを設定する方式を考案した。 低損失パワースイッチングデバイスやリアクトル,キャパシタを想定したシミュレータを作成した。さらに低損失電力変換器のための制御アルゴリズムをシミュレーションにより確立した。また,素子のモデル化がFPGAの容量不足により困難なため,簡易モデルを提案した。 この作成したFPGAに提案方式を盛り込んだ新しい知的なディジタル制御アルゴリズムを設計・作成し,動作を確認した。 平成24年度の成果およびそのアルゴリズムを実現する高速知的ディジタル制御回路をFPGAにより設計,製作した。この場合,高性能化に伴い,消費電力対策が必要になるが,代表者の特許の「回路自体の消費電力を抑える工夫を施した新方式」をシミュレーションおよび実験で試してこの課題を解決する目途を付けた。 今後、提案方式の試作回路を用いて電力変換部を動かし,動作確認を行うことで,提案手法の有効性および問題点・改善点について検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低損失な電力変換器における、最適なフィードバックゲインの設定方式および機械学習による高速応答のための方式については、動作確認まで行っている。シミュレーションによる動作検証で有効性を確認および今後の検討のためのデータの収集は完了している。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータを元に回路の制御方式の改良等を行い、目的の具体化を推し進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の計画として,今後開発が進むであろう低損失パワースイッチングデバイスやリアクトル,キャパシタを想定したシミュレータを用いて,製作したFPGAを用いたDC-DCコンバータを製作し,その回路のエネルギーマネージメント評価を行い,さらに電源シミュレータを製作し,実験評価を行うことでそのスマート化を目指すことを挙げていた。しかし,シミュレータの製作,特に,FPGAの製作に予想以上に時間を要し,エネルギーマネージメント評価を行い,さらに電源シミュレータを製作することが出来なかった。また,新たに静特性,過渡特性,動特性の評価を実験的,解析的に行えることが判明した。そこで,その予算を平成26年度に移し,研究の質を高めることにした。 H26年度の計画として,H25年度の(4)の計画を移動して実行するだけでなく,以下の様に,(1)~(3)を追加し充実を図り,研究の質を高める。 (1)提案の回路の静特性,過渡特性,動特性の評価を行う。(2)解析的に提案方式の特性を明らかにするために数式で特性を表す。(3)提案方式の設計手順をまとめると共に,各パラメータの決定に関して整理する。(4)(3)のシミュレータを用いて提案回路のエネルギーマネージメント評価を行い,さらに電源シミュレータを製作し,実験評価を行うことでそのスマート化を目指す。
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