研究課題/領域番号 |
24360132
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 公一 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (90108225)
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研究分担者 |
高橋 応明 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (70267342)
齊藤 一幸 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (80334168)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体等価ファントム / カプセル内視鏡 / 無線電力伝送 / 数値シミュレーション / HF帯 |
研究概要 |
本研究では,カプセル内視鏡に代表される体内で使用される小型機器と体外機器との無線通信の評価や,体内に位置する小型機器への無線電力伝送の検討を行う際に用いる電磁波測定用高精細人体ファントムの開発を目的とする.平成25年度は,前年度に引き続き,ファントムの仕様を決定するための検討を行った.実際の人体構造は非常に複雑であるため,これを忠実に表現したファントムを作製するのは容易ではなく,また,作製することができたとしても,これを用いて機器の特性評価を行うのは構造の複雑さゆえに難しい.そこで,人体構造をどの程度簡略化しても電磁波伝搬特性が実際の人体と大差なく機器の評価が可能であるかを,数値シミュレーションにより検討した.またこれと並行して,複数の臓器で構成されたファントムを作るため,各臓器の“型”を作製すべく,3Dプリンタを導入し,その特徴や基本的な使用法を習得した.一方,作製したファントムを用いた特性評価対象として,カプセル内視鏡に搭載可能な小型アンテナの基礎検討も行った.いくつかの構造について数値シミュレーションにより特性評価を行ったところ,目標周波数で共振するアンテナを実現する目途がついた. さらに,前年度に引き続き,HF帯用のファントムについても検討した.前年度までに,この帯域での電気定数測定法をほぼ確立することができたので,これを利用し,皮膚・脂肪・筋肉といった体の各部の電気定数を模擬できるファントムを開発することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに,本研究で作製する高精細人体ファントムの基本構造を検討し,本年度は,その作製に向けた検討も着手した.さらに,このファントムを用いた評価対象例として使用可能なカプセル内視鏡用小型アンテナも開発することができた.また,昨年度に基本特性を明らかにしたHF帯用ファントムについても実用的なものを開発することができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,これまでの検討結果を総合して,複数の臓器から構成される人体ファントムを実際に構築し,その使用例として,今年度開発したカプセル内視鏡用小型アンテナの特性解析を行う予定である.また,これまでの成果を国際会議で発表するとともに,最新の電磁波応用技術についても引き続き調査を行う予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は,実験の都合により,そのための材料費が当初の予定よりも少なかったため. 次年度の研究費は,主に,これまでの研究成果を確認するための実験に関する費用(材料費,実験補助謝金など)と成果発表旅費として使用する.
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