本研究の目的は、小型で高感度のSiフォトニクスを利用したバイオセンサーの開発である。差動Siリングおよびフォトニック結晶共振器を用いたセンサーを研究し、差動共振器センサーについては、共振波長にばらつきがあっても同一感度が得られる方法を提案し、前立腺特異抗原の実用的感度0.5ng/mlを達成した。フォトニックセンサーについては、キャビティー型がディフェクト型に比べ大きな感度を持つことを明らかにした。また、入出力部の光結合効率をスポットサイズコンバーターにより、従来より30倍以上改善した。温度安定性は、熱歪みによるリング長の変化とSiの屈折率の温度依存性を分離し、後者が支配的なことを明らかにした。
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