強磁性細線中の磁壁配列状態を記憶パターンとし,スピン波との相互作用を介して記憶パターン間の論理演算を行なう記憶論理一体型情報デバイスの要素技術を開発した. 計算機シミュレーションにより,スピン波が磁壁を通過する際の位相遅延が,論理ゲートに利用可能であることを明らかにすると共に,材料系及び素子構造の最適設計指針を明らかにした.設計指針に基づき,鉄ニッケル合金(パーマロイ)磁性細線を用いたスピン波伝送路,スピン波励起源,及び,スピン波検出器を備えた機能動作評価素子を微細加工技術により作製し,記憶・論理演算動作の検証実験を行なった結果,20dB以上の良好な論理演算出力比を得ることに成功した.
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