研究課題/領域番号 |
24360139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宇高 勝之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20277817)
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研究分担者 |
松島 裕一 早稲田大学, 研究戦略センター, 教授 (80619536)
松本 敦 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (30580188)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ポリマー光デバイス / 光スイッチ / 光インターコネクション / マッハツェンダ構造 / 3次元積層構造 / 熱光学効果 / 表面プラズモンセンサ |
研究概要 |
本研究は、これまでに開発してきた2x2ポリマー光スイッチエレメントについて、一層の低消費電力動作を目指す。数値目標は、サブmWの超低消費電力、偏光完全無依存下でクロストーク-25dB以下、波長域60nm以上である。また、層間光インターコネクション用として、少なくとも3層積層構造の光スイッチング動作実現に傾注する。その際、平面型では8x8ポート程度以上の大規模化について検討し、ノンブロッキングスイッチ動作を全体で数200mW以下の超低消費電力を目標とする。その他、ポリマー導波路による機能デバイスの実現を目指す。 そこで平成24年度では、まずはこれまでに3.5mWの低消費電力、偏光無依存、・25dBの低クロストーク、約100μsの高速スイッチング動作などの一定の高性能動作を提示してきた熱光学動作のポリマーマッハツェンダ型光スイッチについて、引き続き一層の特性向上を図った。具体的には、導波路間に熱分布閉じ込めの為にトレンチ構造を導入し、さらに電極材料やプロセス中のクラック発生の問題点を解決して、これまでの最小動作電力より低い2.1mWの動作を実現することができた。他方、偏光依存性が現れたため、正確な導波路形状の制御や電極構造の最適化により、一層の低消費電力化と共に今後の課題である。 さらにポリマーの特徴を利用したチップ間及びチップ内の光インターコネクションの機能を拡大すべく、3次元光スイッチングマトリクス実現への基礎検討を行った。多層構造や電極形成によるクラックの発生の抑圧に成功し、約18mWでの縦方向3次元光スイッチング動作を実現した。ただ、解析予測より消費電力が高いことや偏光依存性が表れたことから、今後解決に向けて検討していく。 ポリマー機能光デバイスとして、表面プラズモンセンサを作製し、基本特性を実証した。さらに他のフィルタデバイスついても検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元光スイッチについて、これまでより低い消費電力動作を達成した。3次元光スイッチについては、光スイッチング動作を達成した。偏光依存性解消や、期待した低消費電力化までは至らなかったが、問題点がある程度明らかになり、今後の解決に向けて指針を得た。
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今後の研究の推進方策 |
光スイッチの偏光依存性解消や、一層の低消費電力化については、導波路形状の制御や電極材料・構造の最適化の指針が得られている。また他のポリマーの機能光デバイスとして、マンパワーやニーズの関係で、表面プラズモンセンサにある程度特化して進めて行くこととしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を遂行する上で、走査型電子線顕微鏡(SEM)での観察を通しての情報帰還が不可欠で有り、そのための機器や材料などを身近に取り揃える必要が発生したため。
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