研究概要 |
今年度実施予定のうち,最も力を入れたのがソフトウェア送受信機の性能評価である.USRPと呼ばれる汎用ソフトウェア無線機ハードウェアとGNU Radioと呼ばれるソフトウェアを導入し,ソフトウェア無線機の実験系を組むことでその動作確認を行った.メッシュネットワークのノードにはZigBeeを採用し,単一ノード間でのパケット伝送実験を行った.ただし,RF直結のガウス通信路環境のみである.その結果,ほぼ正常にソフトウェア無線機が動作していることを確認した.しかし,複数のUSRP間で性能のばらつきが見られたため,これらの原因を現在調査中である.各ノードでの指向性制御に関しては,リレーを介する場合に拡張することも考慮し,AF中継の際の最適指向性制御について検討した.この結果については,IEEE VTC 2012 Springで発表を行っている.指向性制御付きルーティングに関しては,前研究課題の最終段階で,ftpやhttpなど様々なトラヒックが混在する場合には迂回ルートを選択する利点が少ないことが明らかとなったことを受け,事前に指向性制御を加味した特性評価を行うことで最短/最適ルートを決定し,これを保持することとした.伝搬路特性の時変動特性に関しては,研究室既存のシグナルアナライザを用いて測定するシステムを構築し,伝搬測定の準備を完了した段階である.以上,ソフトウェア無線機を用いた実証実験に備えた準備をほとんどの項目で終了できたといえる.
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