研究課題/領域番号 |
24360148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
來住 直人 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (10195224)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 光ノード / 光波長変換 / 光波形変換 / 光偏波特性 / 信号波形再生 |
研究概要 |
本研究計画は、多数の光信号の変調フォーマットを扱う可能性のある将来の光通信ネットワークにおいて有用な、フォーマットに依存せず信号波形再生や光波長変換、多重形式変換を行うことの出来る光ノード機能の開発とその性能を評価することを目的としている。今年度は以下の成果を得た。 まずは評価の対象とする変調フォーマットのひとつである、differential phase-shift keying(DPSK)方式の評価系を構築し、系の動作確認を行った。この系を用いることで、まずはnon return-to-zero DPSK(NRZ-DPSK)変調方式の信号をreturn-to-zero DPSK(RZ-DPSK)変調方式に、入力信号の偏波状態に無依存で変換する手法の提案し、その特性を評価した。その結果、出力波形のパルス幅を可変でき、かつ良好な信号品質を保持可能な変換を実現した。 さらに、多重形式変換方式のひとつとして、光波長分割多重信号を光時分割多重信号に変換する手法を、多波長パルス光源と光ファイバ中のラマン散乱を利用したパルス圧縮、光ファイバ中の自己位相変調効果を組み合わせることで実現し、ビットレート10Gb/sの4波長信号を単一の40Gb/sの時分割多重信号に変換することに成功した。併せて、複数波長のNRZ形式の光信号を、パルス幅の短いRZ形式の信号に一括して変換するための手法を、半導体光増幅器の相互利得変調と光ファイバの非線形効果を用いたパルス圧縮を組み合わせて実現し、二波長信号入力に対してこの手法の有効性を実証した。 なお、まだ成果は出ていないが、強度変調方式をDPSK(NRZ-DPSK)変調方式に変換する手法の着想を得ており、この手法を実現するための実験系の構築に着手している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主目標であるDPSK変調方式のシステム構築と、偏波無依存波長変換機能の実現は達成済みだが、波形再生技術については検討中である。この他にも多重形式変換や多波長波形変換方式の実現を見たので上記のように評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果を踏まえ、偏波無依存光波形・波長変換や、NRZ及びRZ-DPSK、RZ及び、RZ-DPSK変調方式等の複数の変調方式を多重化した信号に対する光ノード機能の実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
助成金(82.52万円)は、今年度構築のDPSK変調方式のシステムの経費が予定より低く抑制できたために生じ、来年度にシステムの改良などに必要な備品と消耗品費に充足する。
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