研究課題/領域番号 |
24360153
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
末次 正 福岡大学, 工学部, 教授 (60279255)
|
研究分担者 |
関屋 大雄 千葉大学, 融合科学研究科, 准教授 (20334203)
魏 秀欽 福岡大学, 工学部, 助教 (80632009)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 移動体通信 / マイクロマシン / GaN HEMT / 高周波 / 増幅器 / 電源回路 |
研究概要 |
今年度はE級増幅器の動作および制御についてオンチップ化した時の非線形性、電力損失などを考慮してより解析を進め、一方チップを設計し測定する環境を整えた。まずE級増幅器の解析については、スイッチのターンオンとオフ時の両方においてソフトスイッチングを行うE』級増幅器において出力をスイッチのゲート端子にフィードバックすることにより自励発振をする発振器を提案しIEEE Transactionsに掲載された。またE_M級増幅器をプッシュプル接続することにより出力の高調波ひずみを低減した回路を提案しIEEE Transactionsに掲載された。オンチップE級増幅器においてはトランジスタの寄生容量の非線形性が動作に与える影響を解析した。特に非線形性の影響が出力電力に与える影響が重要であるため、入力電圧の変動に対する出力電力の変動をトランジスタの寄生容量の非線形性を考慮して解析しNOLTA2012で発表した。またE級増幅器においてはトランジスタにかかる電圧のピーク値が高いという問題があるが、特にオンチップ化した場合はデバイスの耐圧が低いため大きな問題となる。このトランジスタにかかるピーク電圧が過渡的に大変高くなる現象があることが過去の実験でわかり、その原因を解析し過渡的なピーク電圧の発生を抑える回路を提案しICRERA2012で発表した。また、GaNHEMTデバイスがノーマリオンデバイスであるため負のバイアスのドライブ信号が必要となる。そこで自励式E_M級増幅器のゲート端子にダイオードを接続することにより自己バイアスを起こして負のドライブ信号を発生させる回路を提案してNCSP2013で発表した。つぎに設計および測定環境の整備については、AWR Officeを購入しレイアウト設計を行う環境を整えた。マニュアルプローバを購入してチップの測定環境を整えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
E級増幅器を小型化するための理論解析は進めることができたが、GaNデバイスの試作については試作サービスを行う会社をいくつか当たっているが、米国で武器輸出規制が厳しくなっていて手続きが多いことや、大手企業以外にはあまり十分なサービスを提供しない方針とみられ対応が遅く、デバイスデータの入手が進んでいないためレイアウト設計に関しては進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
国内の研究者等から近い条件のデータを入手し、設計を進めることを考えている。または自作したTEGの測定によりデータを特定して進めることを考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度の助成金について為替の変動により外国旅費について予測と差額が生じ残額が生じた。翌年度はこの残額と翌年度の研究費を合わせてE級増幅器のチップ設計を行い動作を測定する。
|