本プロジェクトでは、Webシステムのサーバ上で稼働する仮想マシンの配置を、耐障害・省電力運用を実現できるよう最適化することを目的としている。平成25年度は、負荷の予測にもとづく仮想マシン配置問題を、ビンパッキング問題の拡張として定式化し、配置を最適化するアルゴリズムを開発した。しかし、サーバが100台以上存在するような規模では、配置決定にかかる計算時間が膨大であるため、負荷の変化に追従して配置変更を行うことができなかった。平成26年度は、仮想マシン配置アルゴリズムの高速化を図るため、以下2点を実施した。 (1)高速化のため、探索範囲を限定するパラメータを導入した。消費電力量に対する感度解析にもとづいて、仮想マシン最大移動数、サーバ最大移動数、再配置期間の3種類のパラメータを導入した。 (2)過去のWebシステムの稼働データにもとづく協調フィルタリングを用いることで、現在の稼働データに対する適切なパラメータ値を決定する方式を開発した。 提案方式により、サーバ100台規模のWebシステムであっても、消費電力量を抑えつつ、数分で仮想マシン配置を決定できるようになった。
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