研究概要 |
本年度は,浮上質量法を用いた力センサの動的校正法における測定精度の向上のために,[1]力センサ固定台の改良,[2]レーザドップラ速度計における周波数計測手法の改良,[3]小型力センサの動的校正を行った. [1]力センサ固定台の改良:これまでの力センサの固定方法では,衝突実験の際に台の変形により力センサがわずかに移動してしまう問題があった.これを解決するため,重量約500kgの鋳鉄定盤上に力センサを固定した.その結果,力センサ固定部の移動が約60μmから10即に減少し,より高精度な計測が可能になった. [2]周波数計測手法の改良:これまで開発してきたZero-crossing Fitting Method(ZFM)では,"ある区間内の周波数は一定である"として周波数を推定していたが,これを"ある区間内で加速度が一定である"として推定を行う,新しい周波数推定手法を開発した.計算機シミュレーション上では,本手法はこれまでの手法に比べノイズに強いことがわかった.また,本手法では,ドップラ周波数(速度)の微分を計算せずに,加速度を直接求めることが可能である. [3]小型力センサの動的校正:これまでの実験では,数Nから300N程度の力で実験を行ってきたが,これまでよりも小さな力の発生と計測のために,浮上質量法実験装置の小型化が行われた.その結果,0.4Nから5.0Nの範囲において,小型力センサの動的特性を高精度に計測することが可能になった.定格入力5Nの小型力センサを用いて,その動的特性の測定を行った結果,大型の力センサに比べて良い動的特性を持つことがわかった.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に引き続き,浮上質量法による計測精度を向上させるため,実験装置の改良と周波数推定手法の改良を行う.加えて,様々な種類の力センサの動的特性を計測し,それぞれの形式に適した校正手法を開発する.
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