研究課題/領域番号 |
24360165
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 敏之 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40272174)
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研究分担者 |
加嶋 健司 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60401551)
橋本 智昭 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (90515115)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 制御理論 / 大規模システム / 非線形システム / 実時間最適化 / 時空間パターン |
研究概要 |
本研究の目的は,大規模非線形システムにおける時空間パターン制御の理論と実時間最適化アルゴリズムを構築し,それらを現実の問題に応用することである.具体的な課題は,1) 時空間パターンの安定性と可制御性を解析する方法の解明,2) 時空間パターン制御の実時間最適化アルゴリズム開発,3) 並列計算やプログラム生成など時空間パターン制御の実装環境開発,4) スマートグリッドにおける需要誘導や反応拡散系におけるパターン形成に対する時空間パターン制御の応用,である. 平成25年度の研究成果としては,非線形システムにおける状態分布パターンを制御する手法の鉄鋼プロセスへの応用,スマートグリッドにおける需要誘導の基礎検討,バーガース方程式や波動方程式をはじめとする分布定数系に対する時空間パターン制御の応用が上げられる.また,基礎的な課題として,複雑な拘束条件を持つシステムの制御手法や,実時間最適化における評価関数の調整方法についても,具体的な応用を通じて確立することができた.さらに,並列計算については計算機科学の専門家と予備的な共同研究を進め,プログラム生成についても数式処理ソフトウェアの開発元と共同研究を行った.その結果,今後の実装環境開発に向けての基礎的な知見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題によって進度の差はあるものの,多くの課題に関する知見が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
実時間最適化アルゴリズムに関しては,並列計算に加えて代数的な操作によって問題を解きやすく変形する手法についても新しい可能性として検討する.また,そのための数式処理についても,アルゴリズム実装環境整備の一環として取り組む.応用に関しては,引き続きスマートグリッドおよび分布定数系を対象として,問題設定を発展させていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費と謝金が当初計画より少なかった. 次年度の旅費と謝金に充て,現在投稿している論文の英文校閲料や掲載別刷料に充てる.
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