研究課題
本研究においては,コンクリートの適用の可能性を拡げることを目的として,高靱性コンクリート(HPFRCC)の特徴を活かして,衝撃作用を受ける部材等にHPFRCCを利用する方法を提案する。HPFRCCに粒径2~4mmのEPS粒子を体積率で45%混入した軽量HPFRCC(HPFRCC+EPS)の改良型を提案するとともに,山岳地帯の砂防工事に用いられる投下型の立体十字コンクリートブロックを模した供試体を作製し,供試体そのものを落下させる試験を行った。繊維長を通常の12mmから20mmに変更し,細骨材を除き,マトリックスの粘性を高めることにより,引張終局ひずみが3%と大きくかつバラツキの少ないHPFRCC+EPS(密度1.2g/cm3)が得られた。落下する供試体の耐衝撃性能を高めるうえでは,鉄筋を配置することが重要であり,質量が小さいことも有効なことを明らかにした。骨材のASR(アルカリシリカ反応)により長期にわたって膨張するHPFRCCを開発し,その適用の一例として,この材料に鉄筋を配置して膨張を拘束しケミカルプレストレスを導入した。鉄筋補強したHPFRCCはりの曲げ載荷試験では,導入されるケミカルプレストレスによりひび割れ荷重が増加することを確認した。ケミカルプレストレスが導入されたはりは,本実験の範囲では,乾燥収縮後も膨張が残存することを確認した。鉄道高架橋の補修工事を想定し,列車振動下における鋼板と超速硬HPFRCCとの付着性状とその評価方法について検討した。本試験の範囲内の振動下では,振動が付着強度に与える影響はほとんど無いことを確認した。鋼板に塗布するエポキシ樹脂系プライマーの粘性について検討し,エポキシプライマー塗布後の打設のタイミングや打設時に生じるエポキシプライマーの流動が,付着性能に大きく影響することを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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