研究課題/領域番号 |
24360183
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
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研究分担者 |
小國 健二 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20323652)
浅井 光輝 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90411230)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 自然災害 / 津波 / 地震 / 数値解析 |
研究概要 |
本研究では、研究目的を遂行するため、大きく以下の6項目に分類して体験型災害予測シミュレータの構築を進めている。前処理手法として、1)GIS/CADによるバーチャルデジタル都市・地域の作成(形状モデリングとメッシュ生成)手法の構築を行う。物理シミュレーションのソルバーとして、2)水害シミュレーション手法の高度化と並列化、および3)地震シミュレーション手法の高度化と並列化を行う。4)2)および3)の手法の統合を行う。後処理手法として、5)バーチャルリアリティ(VR)空間における可視化手法の構築、および6)シミュレータの適用と評価・改良、を行う。 上記の1)については、平成24年度において開発を既に終了している。平成25年度は、上半期において、2)について平成24年度に開発を行ったVOF法および粒子法を用いた3次元Navier-Stokes方程式に基づく自由表面流れ解析プログラムの並列化を行った。また、3)についても、PDS-FEMに基づくプログラムの並列化を行った。並列プログラムの作成には、大規模並列計算システムにおいて有効なMPIを用いた。下半期には、2)と3)の両手法を統合して、4)構造-流体連成解析システムの整備を行った。統合には、それぞれのプログラムの変更が僅かですむ、弱連成に基づく連成アルゴリズムを採用した。また、5)については臨場感溢れる可視化を行うために、高品質なCG映像の提供と共に、バーチャルリアリティ技術を用いて津波や洪水流などの現象が作り出す効果音について作成し、音響情報と可視化情報の同時提供を実現した。なお、この開発には、OpenGLとCaveライブラリーを用いたプログラミングにより行った。 以上より、平成26年度に行う予定である本シミュレータの適用と評価・改良を行う準備が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分担者との十分な連携のもとに、おおむね当初の計画案どおりに研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年にあたる今年度は、シミュレータの実際問題への適用に基づく評価・改良を行う。上半期においてはシステムを比較的小規模な実験や災害事例に適用して、シミュレータの妥当性の検討を行うとともに必要に応じて、計算手法および可視化手法の改良に努める。また、下半期においては、大規模な災害事例に適用して本シミュレータの妥当性及び有効性を評価する。また、評価に当たっては、中央大学所有の没入型バーチャルリアリティ装置を用いて試験運用を行い、被験者に計算結果の立体CG映像を提示することによる災害体験の協力をお願いする予定である。なおその際には、被験者の心理状態・身体的変化の計測(脳波計、脳血流計、発汗計等による計測)を行う予定である。
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