研究概要 |
1.補強土構造物のリスクベースの設計法の高度化 地震・津波作用に対する構造物の設計はリスクベースで行う必要がある.本研究では地盤補強土構造物を対象に,常時・地震時(2011東北地震)の構造物のデータを数多く入手・整理してデータベース化し,設計の不確定性の定量化および考慮すべき破壊モードの抽出について成果が得られた. 2.地盤構造物に対する津波作用モデルの構築 東日本大震災においては甚大な津波被害が生じた.多くの津波研究者が東北沿岸域を中心に調査を行い,1000ヶ所以上で津波の遡上高さと遡上時の流速の推定に必要なデータが公表されている.これらをデータベース化し,地盤構造物に作用する津波作用力モデルの確立に必要な流体ポテンシャルエネルギーの遡上減衰モデルを構築した.また,数値解析で津波作用力の影響を評価するための解析モデルとして,粒子法で浅水方程式を厳密に解く方法について検討し,新しい解法を確立することができた. 3.耐津波作用を想定した補強土構造物の模型実験 中型実験水槽の整備を用い,津波作用方法,実験の模型寸法を決定するための予備実験を行った.また,浸食実験を行い,ジオシンセティックの耐浸食効果の評価法について検討し,一連の実験結果を作用流速-継続時間-浸食量関係としてチャート化することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の骨子は,津波作用に対する模型実験の実施と設計法の確立であるが,当初の予定通りの成果が〓られており,それを4件の学術論文,15件の論文発表(うち3件は招待講演)で公開することができたため.
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