研究概要 |
タスク1暴風下の大気海洋界面の気液乱流シミュレータの開発 研究代表者渡部,研究協力者Ingramと共同で気液乱流ソルバーの最適化,並列化,そして熱流体モデルとサブグリッド粒子確率モデルを統合し,飛沫気泡を含む気液せん断乱流境界層内の熱輸送を再現するため大気海洋気液乱流シミュレータの開発を進めた.また,砕波の乱流量を支配する基本パラメータである流体の伸張と渦度によって局所水面形及び飛沫サイズ並びに個数を決定するメカニズムを明らかにするため,線型安定性解析を新たに進め,パラメータスタディに対する理論的サポートを構築した. タスク2ストームイベントにおける海面過程による熱,気体輸送フラックスの可視化計測 砕波過程に対するバックライト気泡飛沫画像計測,海面飛沫の高速熱赤外線計測及びLIFによる酸素並びに二酸化炭素濃度計測を行い,乱流強度,混入気泡サイズ及び飛沫サイズ分布をパラメータとした気体及び海中への輸送フラックスを定量化するめの統計量を取得した.高速赤外線カメラの特性を把握し,液滴の着水に伴う熱遷移評価に対するテストケースを実施し,可視画像情報から水温情報のみを取得するための効率的な解析法を確立した. タスク3海面上マイクロメカニクスによる熱気体輸送パラメタリゼーション 本年度実施する現地観測ため,降雨,エアロゾル,そして飛沫水を分離しサンプリングすることで,相互に指標化を行うための新たな方法を考案した. 砕波,降雨イベントにおけるマイクロメカニクスとタスク2で得られた同パラメータに対する輸送フラックスを結合しモデル化を行うための準備を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,タスク1及び2は順調に研究が進展した.本年度においてもこれらを継続して行い,各タスクの成果を相互確認しながら研究を進める.また,当初昨年度予定していなかったタスク3で行う現地観測の測定項目及びサンプリング手法を検討し,準備を進める事ができた.
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