研究課題
温暖化によって今世紀末までの我が国三大湾に起こり得る最大級高潮とそれに伴う暴風雨・暴浪を大気海洋力学的に明らかにし,さらにこれらによる氾濫・浸水課程と陸上構造物に作用する衝撃力の検討を行った.これらの成果を「研究発表」に記載する18偏の原著論文と国内・国際会議等での講演24件として発表した.以下にこれらの成果の概要を列記する.1.温暖化の台風強度への影響を熱力学理論に基づいて明らかにするため,台風を熱機関として扱い,気温および海水温の影響を過去の台風データと併せて検討した.その結果,台風の熱効率の上限はエネルギー散逸のためにカルノー熱機関の60%程度の効率となり,海面温度SSTが300K,アスペクト比が1を越えると急激に効率が上昇し,台風が爆弾的に発達することが明らかとなった.2.台風に関連する爆弾低気圧や集中豪雨に及ぼす海水温の影響を数値実験や観測データに基づいて調べた結果,黒潮やそれに付随する高い水温によって低気圧が発達し,降水量も増加することが明らかとなった.3.大気・海洋・陸面の物理過程を厳密に取り扱った大気-海洋-波浪結合モデルに精度を向上させた台風渦位ボーガスを組み込み,現在から今世紀末までの伊勢湾の可能最大高潮と高波の科学的予測法を確立することができた.4.完成された改良台風渦位ボーガス組み込み型大気-海洋-波浪結合モデルによる温暖化実験を実施し,いずれの温暖化シナリオであっても台風強度が最大することを明らかにした.さらに,このモデルを組み合わせ,東京湾および伊勢湾での高潮等による氾濫・浸水計算手法を開発した.5.以上の成果を氾濫・浸水による建物被害の予測につなげるため,氾濫流が構造物に衝撃的に作用する水理実験を行い,衝撃力を氾濫流の無次元入射水位の指数関数として評価できることを見出した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (24件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)
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