研究課題/領域番号 |
24360207
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
竹林 幹雄 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (80236497)
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研究分担者 |
村上 英樹 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90243295)
花岡 伸也 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (90467027)
石黒 一彦 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60282034)
石倉 智樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (30356050)
大西 正光 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10402968)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 航空輸送 / 規制緩和 / 空港経営 / 地域経済 / ネットワーク |
研究概要 |
本研究は,アジア発着国際貨客輸送市場を対象とし,東アジアの主要空港の競争力の計測・空港のヒエラルキーの明確化を把握し,合理的空港管理運営方法・航空政策について考究する.具体的には,(i)アジア発着国際貨客輸送市場を対象とした需要推計方法の開発,(ii)主要空港の競争力の安定性計測,(iii)大規模な自由化・規制緩和実施下での各種政策シミュレーションの実施と社会経済への影響分析,(iv)複数空港地域における空港経営モデルの提案,を行う.25年度では(i),(iii),(iv)に関する研究を重点的に行った. まず(i)に関してはアジア発着国際航空旅客輸送市場におけるOD旅客数ならびに貨物輸送市場での需要予測手法の開発を時系列分析を応用した方法により開発を試みた.次に複数空港地域における空港経営を検討するための理論モデルの提案,ならびに高速鉄道の影響も考慮したネットワーク形成理論の構築を行った.ここでは前年度までに開発したbi-level型ネットワーク均衡モデルを応用し,手法としての汎用性を確認した.これは(i)および(iii)に係わる成果である.さらに,空港経営を考える上で近年トレンドとなりつつある空港と航空会社の強調による市場への影響を検討できるモデルを開発した.これは(iv)に関する成果である.地域経済との連動に関する検討は(iii)に係わる成果であり,航空輸送の地域経済への影響を実証レベルで検討できる手法の開発を行った.ここでは国内市場に限定した分析を行った.最後に今後の航空政策検討への手法の有効性を検証すべく((iv)に関する成果),ASEANにおける規制緩和の影響をシナリオ分析を通じて行った.ここではネットワークレベルでの検討にとどまっているが,最終年度ではこれをさらに拡張する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度は設定した目標の事項のほぼ全てについて論文の発表,口頭発表による成果の公表を行うことができたという意味でほぼ予定通りの成果を得たと判断するものである.
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今後の研究の推進方策 |
26年度は研究の最終年度であり,ファイナルモデルの作製と政策シナリオの検討,主要空港の競争力の安定性計測に重点を置いた研究を行う.ネットワーク分析モデル,空港航空会社協調モデル,航空輸送と地域経済の連動を分析するための手法の開発は順調に進んでおり,今後は国際貨物輸送市場をも組み込んだ分析に拡張し,最終的な成果につなげていく.特に25年度はASEANでの規制緩和をシナリオ分析の対象としたが,本研究の最終目標は東アジア市場であるため,ASEAN分析での知見を生かし,分析方法・シナリオ設定の改良につなげる予定である.また,成果の公表については国際ジャーナルや国際会議を通じて積極的に行ってきており,今後も同様の方針で進めていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は予定していた海外での発表が1件が開催されなくなったことにより,海外渡航費として計上していた予算が繰り越すことになった. 繰り越した金額については,次年度で開催予定の海外学会での発表の費用に充てることとする.
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