研究概要 |
東日本大震災およびその後発生した台風15号の影響で首都圏および関東地方を中心に帰宅困難者が発生し社会問題化した.この交通計画上の問題に対して,Twitterなどソーシャルメディアとよばれるインターネット通信を介した情報が活用されたことが報告されている.そこで,研究目的は,このような大都市災害時における交通・情報ネットワークにおけるロバスト・マネジメントを目指している.具体的には,情報提供と交通行動に関して,不確実性下の意思決定問題,情報の不完全性と交通行動,東日本大震災を例にした情報提供と帰宅行動に関する実証,情報提供と交通行動に関する室内実験を通じて,大都市災害時における情報交通ネットワークへのロバストな総合的政策提言を行うことを目的としている.本研究を遂行する上で,まず,全体の研究グループを5つに分類し,それぞれ理論的検討(1),理論的検討(2),実証的検討,実験的検討,政策的インプリケーションと名付ける.,本年度は理論的検討(1)では,不確実性下の意思決定に関する経済理論に関する文献サーベイ,理論モデルの構築,数値シミュレーション実験を実施した.理論的検討(2)では,同様に,実験による検証を前提とした交通行動分析アプローチに関する文献サーベイ,分析モデルの構築,プレ実験結果の解析を行った.さらに,実証的検討では,サーベイリサーチセンターから提供された東日本震災時の首都圏帰宅困難者のデータ解析を行い,ソーシャルメディアの持つ役割を明確にした.
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今後の研究の推進方策 |
実証的検討では,データの秘匿性から,集計されたデータを取扱い分析した.そのため,より詳細な分析のためには,集計データから非集計データを推定する作業が追加的に必要となる.次年度以降取り組む予定である
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