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2012 年度 実績報告書

安定同位体及びオミクス手法を用いた琵琶湖天然有機物の環境動態の解明と生態影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 24360216
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

清水 芳久  京都大学, 工学研究科, 教授 (20226260)

研究分担者 日下部 武敏  京都大学, 工学研究科, 特定研究員 (40462585)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード湖沼環境 / 環境動態 / 生態影響評価 / 琵琶湖 / 天然有機物
研究概要

近年,琵琶湖などの湖沼において難分解性有機物の増加・蓄積が報告されるなど,水圏における有機物の環境動態やその生態系への影響に注目が集まっている。しかし,湖沼有機物の起源や水環境中における環境動態および機能・役割についてはほとんど明らかにされておらず,有機物に関する基盤情報が欠如している。また,有機物の物質循環過程は,光や温度などの物理化学的な条件のみならず,微生物群集(藻類、バクテリアなど)の支配を強く受ける非常に複雑な系である。本研究課題は,「安定同位体標識」および「環境オミクス手法」を組み合せた網羅的かつ系統的な解析により,琵琶湖流域における有機物の環境動態を分子レベルで解明するとともに,その生態影響を評価することで,流域圏における天然有機物(NOM)の機能・役割の解明を目指すものである。
平成24年度は、琵琶湖流域における物質収支,湖沼有機物の環境中運命・動態,安定同位体標識環境オミクス技術,湖沼有機物の生態影響(毒性)評価,等のそれぞれに関して,専門家へのヒアリングと併せて,関連分野で発表されている文献を調査して最新情報を収集するとともに,炭素物質収支把握のための総合的な水質調査の計画を立てて着手する。NaH13CO3(あるいは13CO2)および13C,15N,2H等で標識化された基質(13C6-グルコース等)を用いることにより,それぞれ藻類(光合成)由来の一次有機物およびバクテリア由来の代謝(分解)産物を安定同位体で標識化する手法の検討を行った。連携研究者などと密に連携しながらMSおよび多次元NMRを用いた環境オミクス手法の確立に向けた条件検討等を実施した。更に、一次生産者である藻類の光合成に着目した光合成阻害試験について、試験条件、試験生物等の実験的検討を実施して藻類光合成阻害試験法を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

琵琶湖流域における物質収支,湖沼有機物の環境中運命・動態,安定同位体標識,環境オミクス技術,湖沼有機物の生態影響(毒性)評価,等のそれぞれに関して,専門家へのヒアリングと併せて,関連分野で発表されている文献を調査して最新情報を収集するとともに,総合的な水質調査への着手,標識化・解析手法の検討、藻類光合成阻害試験法の開発を行うなど,当初の研究計画のとおりおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

当初の計画に、H24年度に整備した水中溶存有機物蛍光測定装置による溶存有機物の特性解析を加え、本研究課題を推進していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

安定同位体標識化技術および環境オミクス手法の確立に向けた条件検討の中で、追加実験・検証が必要であることが判明したため、H25年度においては優先的にこれらの課題に取り組むとともに、当初の計画を遂行するために研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 琵琶湖北湖表層における天然有機物(NOM)の分解特性2012

    • 著者名/発表者名
      日下部武敏, 秋田泰典, 大谷壮介, 岡本高弘, 早川和秀, 清水芳久
    • 雑誌名

      環境システム計測制御学会誌

      巻: 17 ページ: 102-111

    • 査読あり
  • [学会発表] 琵琶湖北湖表層における天然有機物(NOM)の分解特性2012

    • 著者名/発表者名
      日下部武敏, 秋田泰典, 大谷壮介, 岡本高弘, 早川和秀, 清水芳久
    • 学会等名
      環境システム計測制御学会第24回研究発表会
    • 発表場所
      横浜市開港記念会館(神奈川県)
    • 年月日
      2012-10-26
  • [学会発表] Seasonal Variation in Biodegradability of Natural Organic Matter (NOM) in the Northern Lake Biwa2012

    • 著者名/発表者名
      Kusakabe, T., Akita, Y., Otani, S., Nishida, M., Okamoto, T., Hayakawa, K., Minami, M., Okumura, Y., Shimizu, Y.
    • 学会等名
      IWA World Water Congress & Exhibition, Busan, Korea
    • 発表場所
      BEXCO(韓国)
    • 年月日
      2012-09-17

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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