免震建物において上部構造物の総質量に匹敵するみかけ質量の慣性こまを設置し、それに軸力制限機構と支持ばねを介して接続したシステムについて、軸力制限機構部の非線形特性を複素剛性により等価線形化することにより伝達関数の閉形表現を導出した。これにより、ダイナミック・マスの効果による地震力低減効果を保持しながら上部構造物の床応答加速度を低減するダンパー解の閉形表現を定点法により導出した。 更に、提案ダンパーの有用性を確認し、実用化のための資料を得るためにダンパー縮小試験体と実大試験体を用いた実験を実施し、理論の妥当性を検証した。
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