人間の動作時に生じる床の変形は、歩行感などを大きく左右する。近年普及した遮音フローリングなどの中には、特殊な感触の影響で足触りが著しく悪いものがあり、従来の方法では適切に評価できない。そこで、歩行時と近似した動的荷重を与えた時の床の変形の面的な広がりやその時間変化を軽微な荷重領域から測定できる感触測定装置を開発し、歩行感との関係を検討した結果、特殊な感触が生起されるメカニズムに忠実な、動的変形挙動の測定,評価方法を確立した。また、木質系直貼り床を対象に、簡便な物性試験で測定される変形特性と、かたさ,感触,床衝撃音遮断性などとの関係を検討し、複数の性能を両立した床の開発に寄与する知見を提示した。
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