本研究の目的は、有害危険物質による健康被害の可能性を、居住空間のスケールから都市空間規模のスケールまでにおいて横断的にかつ一貫的に評価する手法を構築することである。 申請者は、流れ場の一特性である乱流状態が空気の混合促進作用を持つことに着目する。時間定常な空気環境にて障害物が移動する場合、障害物境界における流れの剥離により後流が乱流遷移する。申請者はこの現象が、障害物が空気へ及ぼす仕事率(もしくは仮想的な仕事率)が、ほぼ等しく乱流へのエネルギー注入に費やされるという観点にのっとって乱流場を評価し、関係式を組み立てる。
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