研究分担者 |
坂口 淳 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (90300079)
白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50302633)
鍵 直樹 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20345383)
三田村 輝章 足利工業大学, 工学部, 准教授 (10406027)
篠原 直秀 独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 研究員 (50415692)
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研究概要 |
本研究は,住宅のDampness(湿度が高い状態)は,喘息や呼吸器系疾患の発症を誘発することが指摘されているが,同時に生活の質(QOL)の低下などの健康損失を招くと考えられる。そこで本研究では,健康損失に至る因果構造を解明するとともに,建築的な防除策を提示することを目的とする。当該年度は以下の研究項目について取り組み,研究の成果を得た。 (1)国内外の文献調査:国内外での既往研究をレビューし最近の知見と今後の課題をまとめた。研究グループが蓄積している文献データベースを充実させた。 (2)Dampnessの評価と因果構造モデル構築のための予備調査:住宅のDampnessの程度を主としてアンケート調査より評価するために,室内の温湿度やCO_2濃度,部位の表面温度などの物理指標と,結露やカビの発生程度や頻度の申告との関連性を検証する必要がある。そこで,秋田,東京,福岡の戸建・集合住宅のうち,結露やカビの発生が顕著である事例を優先的に抽出し,それらを対象とした予備調査を実施し,次年度に向けた全国調査の企画に資する情報を整備した。 (3)Dampnessの発生条件に関する数値解析:因果構造モデルの構築に資するデータを得るために数値シミュレーションを計画し,居室が高湿度状態や結露発生に至る諸条件を定量的に明らかにするための予備計算を実施した。Dampnessな状態が顕著になる場合には,部位の表面温度が露点温度以下に低下することと関連が深いため,本研究では,建物の断熱性能や換気状況,室内での湿度発生などをパラメータとした解析を行うこととする。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り,Dampnessによる健康損失を評価するための因果構造モデルを構築するため,全国調査を展開する。また,健康損失への防除策を検討するために,数値解析による結果を蓄積する。
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