研究課題/領域番号 |
24360241
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
義江 龍一郎 東京工芸大学, 工学部, 教授 (60386901)
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研究分担者 |
白澤 多一 大妻女子大学, 社会情報学部, 助教 (40423420)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境影響評価 / 都市環境 / 大気汚染 / 気象モデル |
研究概要 |
1.領域気象モデルによる上空風の再現性の検証と標準上空風データの整備 領域気象モデルWeather Research and Forecasting(WRF)による風速・風向・気温の解析結果と観測結果との比較を行うとともに、WRFの物理モデルや各種計算条件が計算結果に及ぼす影響を調査した。その結果、適切な物理モデルと計算条件を設定すれば、WRFは実現象を高い精度で再現できることが明らかとなった。したがってWRFの計算結果を用いて標準上空風データを整備することは可能と判断した。その整備のためにWRFによる過去7年間の計算を実施中である。 2. 大気安定度が都市キャノピー内の汚染物質濃度に及ぼす影響の一般化 風洞実験用の街区モデルを作成し、温度成層風洞を用いて、大気安定度を変化させた汚染物質拡散実験を行った。風洞実験は今年度に開発した無人自動濃度計測システムを用いて行った。この濃度測定結果に基づき、大気安定度が中立でない場合の無次元濃度と、中立状態時の無次元濃度の比を求め、この比のことをStability Effect Ratio (SER)と呼ぶこととした。昨年度の実験により、建物高さが一様な街区モデルでは、SERが大気安定度のみに依存し、測定点の場所(すなわち測定点の周りの流れ場)にはほとんど依存しないことを見出した。すなわちSERを大気安定度のみの関数で表すことができるという見通しを得た。今年度はさらに建物高さにばらつきのある街区モデルを用いて風洞実験を行ってSERを求めたが、一昨年度とは異なる関数となった。したがって街区形状もパラメータに入れなければならない可能性が生じてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
WRFによる実現象の再現精度についてなかなか満足のいく結果が得られなかった。精度を向上させるために、各種モデルや各種計算条件が計算結果に及ぼす影響を調査するのに予定以上の時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている「領域気象モデルによる標準上空風データの整備」に関しては、上半期までに高速ワークステーションを用いた並列計算により7年間分の計算を一気に行って標準上空風データを整備する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記のようにWRFによる実現象の再現精度についてなかなか満足のいく結果が得られなかったため、7年間の数値計算を行う高速ワークステーションを購入するのをやめたからである。 今年度は最新のCPUを搭載した高速ワークステーションを購入して、一気に標準上空風データ整備のための数値計算を行う。
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