研究課題/領域番号 |
24360251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鵤 心治 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30264071)
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研究分担者 |
多田村 克己 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30236533)
出口 敦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70222148)
樋口 秀 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90293258)
小林 剛士 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40553160)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 線引き / 農地転用 / 中心市街地 / 土地利用 |
研究概要 |
今年度の研究成果については、下記の通りである。 (1)線引き制度を廃止した新居浜市と西条市では、廃止当初は、開発と農地転用が急激に増加したが、平成18年から減少傾向となっている。 (2)両都市の農地転用に影響を与える要因を数量化1類分析により検討した。その結果、新居浜市では、「用途地域・特定用途制限地域」、「インターチェンジまでの距離」、「人口」が影響を与えていることを明らかにした。また、西条市では、「用途地域・特定用途制限地域」、「人口」、「病院までの距離」が影響を与えていることを明らかにした。 (3)数量化1類分析によるスコアを用いて、100mメッシュ内農地転用の予測値を算出した。その結果、新居浜市、西条市共に、用途地域縁辺部や幹線道路沿道等に予測値が高い地区を8地区ずつ抽出され、その地区の特徴を詳細に明らかにした。 (4)上記の予測式を現状、線引き制度を運用している防府市に適用した結果、線引き制度を廃止した場合の農地転用傾向について、比較的精度の高い結果を得ることができた。 (5)上記の研究手法を県庁所在都市である高松市の線引き廃止後の土地利用動向について、開発(廃止前738件、廃止後937件)、農地転用(廃止前4007件、廃止後5525件)を調査し、詳細な特徴を明らかにした。 (6)農地転用に影響を与える主な要因は、「都心までの距離」、「総合病院までの距離」、「大型店舗までの距離」であることを明らかにし、農地転用の予測値が高い地区を3地区抽出し、その特徴を明らかにした。 これらの研究成果は、既往研究でも指摘されていない線引き廃止後の土地利用について明らかにしたものであり、極めて希少かつ重要な結果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査及びデータ収集共に概ね順調に進んでいる。一部、データ収集が完了していない部分があるが次年度、行政との協議を踏まえて対応する予定である。また、海外事例の資料収集が完了していないが次年度、対応可能1である。
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今後の研究の推進方策 |
概ね研究計画通り進んでいるので、当初計画通りに研究を進めていく予定である。次年度へ積み残した課題については、行政との協議等を踏まえて対応する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外事例の収集について、日程調整と国内で行う事前調査が遅延したため、海外調査が実施できなかった。また、フィールド調査用のパーソナルコンピューターの購入がデータ収集の次期とずれが生じたため購入できなかった。この2点については、次年度に繰り越し、当初計画通り実施することとしている。
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