今年度の研究実績 1)「施設維持・運用に必要な情報をBIMモデル内で一元化する手法を構築する」:前年度に引き続き、建築情報モデルに格納するデータの特定及び格納方法の検討を行った。今年度は、大学キャンパス全体の情報を一元化するために、大学キャンパスの外構(樹木、駐車場、駐輪場、屋外構造物)や地中埋設物(共同溝、配管)などのインフラ等を中心に進めた。はじめに、ケーススタディー対象である熊本大学施設部からインフラ等のデータを入手した。次に、それぞれの維持管理対象に対して、格納すべき属性情報を抽出した。 2)「建築情報モデルの構築と維持・運用データの格納を行う」:昨年度入力したモデルに、今年度新たに検討した大学キャンパスにおけるインフラ等のモデリングを行い、それに属性情報を付帯させた。キャンパス地盤は微妙な傾斜があるため、維持管理上どの程度のモデルへの再現が必要かを検討した。また、樹木についても同様の検討を行った。建物地中部への埋設配管引き込み部分がBIMによる一元化を進める上で重要な部分であるが、十分な検討ができたとは言えないため、今後の課題である。 今後の課題 これまでの研究成果を踏まえ、実際に建物及びインフラ等を含む大学キャンパス全体の建築情報モデルの、維持管理業務における試験運用を行う必要がある。そのためには、建築情報モデルをデータベースとする操作性に優れたビューワーを開発し、誰もが簡単に建築情報モデルを扱う環境づくりが必須である。
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