研究課題/領域番号 |
24360269
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉本 護 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20174998)
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研究分担者 |
淀 徳男 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70288752)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 酸化物 / 一軸圧縮 / 結晶構造 / 固相結晶化 / 組織制御 / 超機能創出 / 表面ナノ修飾基板 / ナノインプリント |
研究実績の概要 |
本研究は、「一軸圧縮下での表面ナノ修飾基板上固相結晶化による特異な酸化物構造誘起と超機能創出」と題し、独自開発した「ナノ表面加工された基板」上に、予備的研究で有効性が確認された「非晶質薄膜の固相結晶化における一軸圧縮応力の適用」、という独特なアプローチで新規な酸化物結晶の創製をめざすものである。従来の結晶性酸化物薄膜の作製では高温に加熱された基板上に結晶性薄膜を直接堆積することが多く、得られる結晶相は高温での熱力学的安定相が主となる。これに対し、本研究では、まず初めに低温で非晶質薄膜を独自に表面ナノパターン加工された基板に堆積した後に、特殊な環境下、特に一軸圧縮下でのポストアニール(加熱)を行って、通常の熱的安定結晶相とは異なる結晶相を析出させる。これら特異な固相結晶化を行うことで、構造および機能面で異方性のある新規な材料創製につばげることをめざす。昨年度までの研究結果をベースにして、本年度の研究遂行の結果、サファイア基板上にパルスレーザー蒸着法(PLD)により、低温で非晶質酸化物薄膜(酸化バナジウム:VxOy,およびスズ添加酸化インジウム)を堆積した後、この非晶質薄膜の固相結晶化において、ナノインプリント装置を使って、種々の条件(温度、加熱時間、一軸圧縮応力)で加熱して、特異な結晶成長の誘起を検討した。その結果、一軸圧縮応力下での酸化バナジウム結晶性薄膜の固相成長において、通常の無応力下での固相結晶化では多結晶VOx薄膜となるのに対し、1MPa加圧下の固相成長では、エピタキシャルVO2薄膜となり、10~50 MPa加圧下では、エピタキシャルV2O3薄膜となることが見出された。このV2O3薄膜は金属・絶縁体転移(MI転移)を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2012年度~2013年度にわたる研究室全体の引っ越し作業等のために、移動後の装置の補修や再立ち上げ、部屋改造等に想定外の時間を取られた。当初計画した実験が十分に遂行されずに終わったことで、無機原料などの消耗品費用の余剰が発生して当該次年度助成金が生じたものと思われる。次年度では、昨年度積み残しの種々の成膜および加工実験を加速させて行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度~2013年度の研究室全体(全装置含む)の引っ越し作業に起因して当初の研究計画を遂行できなかった部分を次年度に早急に行い、計画達成を加速させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
同一キャンパス内の新設高層棟ビルへの研究室全面移転が、2012年度から2013年度に渡って行われ、そのための実験装置等の移動や再立ち上げに2014年度もかなりの時間が取られた。これら移転業務に伴う実験の遅れが、当該事象の主因です。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度は、実験遂行を積極的に推し進め、研究加速のための消耗品等の支出にその大半を充当するとともに、当該成果を、国内および海外での学会で発表するための旅費等に使用する予定である。
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