研究課題/領域番号 |
24360276
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50272399)
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研究分担者 |
岸本 英博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80251213)
兵藤 宏 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (30548863)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオイメージング / バイオマテリアル / バイオプローブ / 機能性セラミックス / 光物性 |
研究概要 |
本年度の課題は、100 nm未満のOTN-NIR発光を示す発光ナノ粒子の合成と発光特性およびマウス体内における動態観察であった。100 nm未満の粒径のRED-CNPとしてNaYF4を母材とするエルビウムドープナノ粒子を一次粒径20nm、二次粒径60nmでリン酸バッファー中で単分散状態で得ることに成功した。また、この粒子をマウスの血中に投与して動態観察を行ったところ、粒子表面へのリン脂質PEGの導入により血中滞留時間は伸びるが投与後細網内披系に捕獲されることが分かった。一方、PEIをキャッピング剤として用い、表面にポリアクリル酸PEGを導入した60 nmの粒子は数日間血中を滞留することから、上記リン脂質PEGを用いたナノ粒子からは導入したPEGが血中で離脱していると想定される。次年度はこれらを改良したRED-CNPプローブの作製に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画において粒子作製のスキームが明確であったため、ナノ粒子合成は順調に行えた。しかし、表面修飾の相違によるマウス体内の挙動には一部期待外の挙動があり、今後の新たな課題が明らかになった。これらの課題については最終年度に解決の目算が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
20~500 nmの粒径において得られた発光特性とマウス動態の系統的な知見の学術的な解釈を目的として、マウス体内挙動に重点を移し、マウスの体内におけるナノ粒子の挙動についての解明を行う。 これまでに細網内披系によるスクリーニングや細胞への鈍足作用による取り込みがマウス体内でのナノ粒子の循環とトラッピングに大きな影響を及ぼすことがわかってきた。 そこで酸化イットリウム系RED-CNPにおいて、20~500 nmで粒径を制御した蛍光プローブを作製し、単分散保証のために表面に親水性高分子修飾を施す。さらに、これらをマウスに投与してからの粒子の挙動をOTN-NIR in vivoイメージングシステムにより動画撮像により追跡する。観察後の臓器を保管し、各臓器の切片をOTN-NIR蛍光顕微鏡で観察することにより、特にマクロファージへの取り込みに注目してナノ粒子のマウス体内での挙動を解明する。
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