強磁性体CoFeBのナノ薄膜と酸化物の界面では,電界の印加によって界面磁気異方性エネルギーが変化する。本研究では界面の構成元素やその化学状態がこの現象に与える効果を調査した。電界への応答の大きさは表面酸化量に対して敏感に変化し,酸素が強磁性体金属を覆わない程度に酸化を制限したときに最大化された。また,酸化膜の種類を変えると,CoFeBとの反応性の違いに由来してCoFeB表面酸化の進行が変わり,酸化反応が進行しにくい酸化物との界面で電界応答性が増大された。さらに酸化膜としてTiOxを用いて電圧を印加すると,Tiの化学状態の変化に起因すると思われる磁気異方性の不揮発的な変調の発現が見出された。
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