研究課題/領域番号 |
24360295
|
研究機関 | 公益財団法人電磁材料研究所 |
研究代表者 |
阿部 世嗣 公益財団法人電磁材料研究所, 光材料グループ, 主席研究員 (20202666)
|
研究分担者 |
平 徳海 独立行政法人物質・材料研究機構, 構造機能融合材料グループ, 主幹研究員 (80354207)
大場 洋次郎 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (60566793)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 太陽電池用材料 / 量子ドット / RFスパッタリング / ホットウォール / 複合構造 / 量子サイズ効果 / 酸化物 / カルコゲナイド |
研究概要 |
本年は,ワンステップ物理成膜法による量子ドット増感型次世代太陽電池用材料の合成と光電特性の検討を行った.この際,物理成膜法として,RFスパッタリング法およびホットウォールデポジション(HWD)法を用い,それぞれ生成熱離散型および非固溶型の材料設計に基づき複合構造薄膜の合成を行った.RFスパッタリング法では,Ge添加TiO2薄膜およびInSb添加TiO2薄膜の光電特性とGe添加GaN薄膜の合成について検討を行った.試料は,p型Si基板またはガラス基板上に作製した.この際,Ge添加TiO2薄膜では,バッファー層およびキャップ層としてTiO2を用いた.その結果,Ge添加TiO2薄膜では,光電流が最大になるGe添加濃度およびGe添加TiO2層厚を明らかにした.また,InSb添加TiO2薄膜の光電特性では,InSb濃度の増加と共に光電流は単調に増加する傾向を示した.さらに,Ge添加GaN薄膜の合成では,Geの結晶化温度は,TiO2 マトリクスを用いた場合と比較して低温化することを明らかにした.他方,HWD法では,PbSeナノ粒子とZnSeマトリクスから構成される複合構造薄膜の層厚と光電流特性との関係について検討を行った.試料は,p型Si基板上に作製した.その結果,光電流スペクトルは,層厚の増加に対し,Si基板の寄与が支配的な過程から複合構造層の寄与が支配的な過程に変化し,また,基板温度の変化に対し,複合構造層の光電流はピークを伴って変化することを明らかにした.さらに,PbTeおよびZnSeを蒸発源とする複合構造薄膜を作製し,成膜過程において蒸発源のPbTeはPbSeに相変化することを明らかにした.この際,生成されたPbSe中に微量のTeが固溶していることが示唆され,373K以下の比較的低基板温度においても,生成されたPbSe相は結晶化する.さらに,電極材料として,可視光領域に禁制幅(1.8eV)を有するマグヘマイト(γ- Fe2O3)などの鉄酸化物薄膜に関する検討を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究計画の内容に沿って,おおむね順調に遂行されている。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度までに得られた結果を踏まえ,引き続き共同研究者との連携を密にし,研究計画を円滑に遂行するよう努める.
|