これまで2年間(24-25年度)の研究で、巨大ひずみ加工の一つであるHPT(High-Pressure Torsion)法を用いて、 1)結晶粒微細化強化のためのひずみ誘起変態の活用方法の解明(24年度) 2)時効硬化メカニズムの解明(25年度)を進め、さらに、熱力学計算に基づいた変態,逆変態挙動の解析に基づいた計算も行ない、ひずみ誘起変態およびひずみ誘起逆変態を利用する最適化学組成,加工温度を明らかにした。 今年度は、これらの研究を基に、市販のステンレス鋼でのひずみ誘起変態とひずみ誘起逆変態を利用した結晶粒微細化,時効硬化,変態超塑性を活用した高強度ー高延性を達成する条件を提示し、変態超塑性と時効硬化を組み合わせた高強度・高延性ステンレス鋼の開発へと進んだ。
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