研究課題/領域番号 |
24360307
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 和博 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60303856)
|
研究分担者 |
小濱 和之 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (00710287)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | Cu配線 / Cu合金膜 / IGZO / 接触抵抗 / 抵抗率 / 密着性 |
研究実績の概要 |
液晶ディスプレイの高精細化・低消費電力化のため、最近ではIn-Ga-Zn-O系アモルファス酸化物半導体(IGZO)を薄膜トランジスタ(TFT)に適用している。しかし、IGZO用の金属電極は、IGZO膜活性化や界面密着性向上のための熱処理時にIGZO膜により酸化され、接触抵抗が高くなるという問題がある。当研究室では、Cu(Ti)合金膜/(半導体や絶縁体)接合を熱処理することで低接触抵抗電極やCu拡散バリア膜などの機能性界面層を形成できる知見を有している。そこで、IGZO膜にこの手法を用いて、従来Au/Ti電極より低接触抵抗電極が形成できるか検討した。Cu(Ti)/IGZO試料を窒素雰囲気下で275℃~350℃の温度範囲にて熱処理すると、どの温度範囲においてもTi原子がCu(Ti)合金膜表面とCu(Ti)/IGZO界面に偏析し、極薄のTi酸化物層を形成した。その接触抵抗値はAu/Ti電極より低くなり、熱処理温度の増加に従い単調に減少し、この手法を用いて従来のAu/Ti電極より低接触抵抗の電極形成が可能なことを実証した。しかし、この電極を有するIGZO膜特性はAu/Ti電極の場合と比較して低下した。これは、Au/Ti電極形成が真空蒸着法であったのに対し、Cu(Ti)電極形成がスパッタ成膜法であったため、プラズマによりIGZO膜の性能が劣化したためと考えられる。また、ゲート電圧がゼロV以下でのリーク電流がAu/Ti電極の時より増加しており、これはIGZO-TFT下のSiO2絶縁膜とCu(Ti)膜が反応したことによる影響が考えられる。大型基板上に均一な膜厚を形成するには真空蒸着法は不適当であり、プラズマに対して安定な開発上の酸化物半導体を用いた検討と、SiO2膜をAl2O3膜などCu(Ti)膜と反応しづらい絶縁膜に変更して、引続き接触抵抗値低減と半導体特性の関係を明らかにしていく。
|
現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
次年度使用額が生じた理由 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
次年度使用額の使用計画 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
備考 |
「Cu(Ti)合金膜を用いたIGZO膜への低接触抵抗電極の作製」発表は、日本金属学会第23回優秀ポスター賞を受賞
|