本研究では,水素選択透過性シリカ膜と,プロパン脱水素触媒を組み合わせた膜反応器を開発し,プロパン脱水素反応の平衡シフトを利用したプロピレンの高効率製造の実証を行うことを目的とした.テトラメトキシシラン(TMOS),トリメトキシフェニルシラン,ジメトキシジフェニルシランをプレカーサーとして,対向拡散CVD法にて作製したシリカ膜は,膜反応器に用いるために十分な水素選択透過性を有していることが明らかとなった.TMOS膜を用いて開発した膜反応器を用いてプロパン脱水素反応を行ったところ平衡シフトを実現することができた.ただしコーキングによる性能低下も見られた.
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