研究課題
平成25年度までに分子認識ポリアンフォライトゲート膜の開発を行ってきた。ポリアンフォライトは正負双方の電荷をポリマー内に共存し、pHの履歴に応じて多重相を取りうる。我々はこれにシグナルイオンの認識が可能なクラウンエーテル部位を導入することで、pHやシグナルイオンの濃度に応じてポリマーサイズが変化する分子認識ポリアンフォライトを開発した。さらに、これを多孔質基材中にグラフト固定化したゲート膜を開発している。平成26年度は、この分子認識ポリアンフォライトゲート膜の特性解析を進め、pHとシグナルイオン濃度の双方が低い時にのみゲートが開き、それ以外の条件(pH/シグナルイオン濃度 = 高/低・低/高・高/高)ではゲートが閉まるという特徴的な化学的論理ゲート挙動を示すことを明らかにした。またpHの上昇/下降操作に対して、ヒステリシスすなわち履歴認識の挙動をも見出だし、当初の目的である履歴認識ゲート膜としての性質を確認した。高性能ゲート膜の開発のためには、グラフトに適したポリマー自体の開発も必要になる。我々はそのようなポリマーの一つとして、温度に応答して膨潤収縮するN-isopropylacrylamideポリマーと、ゲスト分子を包接するホスト分子シクロデキストリンを共重合させたポリマーが、ゲスト分子の存在下で自律膨潤収縮する現象を見出だしてきたが、平成26年度はさらに、シクロデキストリンと主鎖間にゲスト分子を導入することで、従来ポリマーでは自律膨潤収縮現象を誘起しないゲスト分子に対しても現象を誘起することに成功している。将来的にはこれらのポリマーをグラフトしたゲート膜の開発が見込まれる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (12件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Polymer
巻: ***** ページ: ***-***
10.1016/j.polymer.2015.02.027
Journal of Chemical Engineering of Japan
巻: vol. 47, No. 8 ページ: 704-710
10.1252/jcej.13we319
Polymer Chemistry
巻: vol. 5, No. 16 ページ: 4612-4616
10.1039/C4PY00600C
Journal of the Electrochemical Society
巻: vol. 161, No. 13 ページ: H3095-H3099
10.1149/2.0181413jes
Plasma Processes and Polymers
巻: vol. 11, No. 4 ページ: 306-314
10.1002/ppap.201300109
http://www.res.titech.ac.jp/~zairyosys/yamaguchilab/index.html