研究課題/領域番号 |
24360330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村松 淳司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40210059)
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研究分担者 |
蟹江 澄志 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (60302767)
中谷 昌史 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80451681)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 資源・エネルギー有効利用技術 / 燃料電池 |
研究概要 |
Pt代替NiあるいはCo系カーボン担持触媒を想定し,前駆錯体・溶液条件や還元剤と得られるNiあるいはCo触媒粒子との関係解明を通して、触媒探索を実施した。触媒調製法としては当研究室開発の液相還元選択析出法を採用したところ、Ni-C、Ni-Bナノ粒子が炭素担体上に析出することを確認した。得られた粒子を、カーボン電極上に滴下し、そこへNaffionを滴下したMEA膜を調製した。この電極を過塩素酸を溶かした水溶液を用い、酸素飽和および酸素無しの状態下で電気化学測定を行い、酸素還元反応を開始する電位を測定した。測定の結果、Ni-Cナノ粒子においては、Ptの反応開始電位(0.9V vs RHE)によりは低いものの、0.5V vs RHEの値を示し、酸素還元能を有することを確認した。また、Ni-Cにおいては、熱処理前後における構造の違いがその活性に大きく影響を与えることも確認された。これは、Ni-C構造を熱処理することでNi4c構造へ変化させることで、エネルギー的に有利な状態に構造を変化させられるためと考えられる。これらのことから、Ni/C組成比がその活性に大きく影響を与えることが示唆され、粒子の合成時もしくは合成後にその組成もしくは構造もしくはその両方を制御することで更なる高活性化が期待できる。一方、Ni-Bナノ粒子においては、Ni-Cと同値の活性を示した。しかしながら、調製後時間の経過に伴い活性が落ちることが確認された。これは、Bが酸化により抜け出るためであるとが判明した。このため、Ni-BはNi-Cよりも耐久性の点で問題があると考えられる。以上より、現段階では、Ni-Cナノ粒子が実装に向いているものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ni-C、Ni-Bナノ粒子の液相合成に成功し、それらが酸素還元反応において電極触媒として作用することが確認され、その起電力が0.5Vを示し、Pt代替材料としての利用に一定の目処が立ったため。
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今後の研究の推進方策 |
Pt代替となるNiCならびにNiBナノ粒子の合成に成功し、その酸素還元能があることを確認した。今後はその起電力の向上、ならびに実際に単セルを組み、燃料電池としての特性を評価していく。
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