研究実績の概要 |
塩基性アミノ酸を溶解させた水溶液中でテトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解・重縮合を行うことで、8 - 550 nmの範囲で均一な粒子径を有する単分散球状シリカナノ粒子(SNSs)コロイド結晶の調製が可能である1, 2)。さらに、SNSsコロイド結晶を鋳型として3次元細孔を有する多孔質カーボンのを調製ができる。本研究では粒子径50 nmのSNSsを鋳型として調製した多孔質カーボンの細孔内でTiを骨格内に含有したMFI型チタノシリケートコロイド結晶の調製を試みた。 過酸化水素水とテトラブトキシチタン(TBOT)を混合した溶液に、TS-1(MFI型)の場合テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)を加えた。次いで、シリカ源としてTEOS、鋳型となる多孔質カーボン、およびエタノールを加えてゲルを調製した。このゲルを乾燥させた後、ドライゲルコンバージョン法にて170℃で結晶化を行った。生成物は550℃で10時間焼成することで有機物を除去し最終生成物とした。 鋳型を用いて調製した試料のXRDパターンよりそれぞれMFI型に由来する回折ピークを確認した。生成物中のSi/Ti比はTS-1で44であった。それらのUV-vis.スペクトルより骨格内4配位Ti種の吸収に由来する220 nmのピークが主に確認された。従来法のTS-1の粒子径は300 nm程度であるのに対し、鋳型としてカーボンレプリカを用いて調製したTS-1は、SNSsと同様の50 nm程度の粒子径を有し、400 nm程度の二次粒子を形成していた。
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