研究概要 |
触媒活性種の局所構造を対象としたXAFS解析方法の開発に重点を置いた.即ち,従来法で測定されたXAFSから触媒活性種のスペクトルだけを抽出することを目的とした. バナジウム酸化物やニオブ酸化物について構造既知の様々な参照化合物を用意し,これらのK殻吸収端XANESを測定した.得られたXANESスペクトルを相互に比較し,4,5,6配位構造など局所構造種の違いによってXANESの微細構造がどのように変化するか調べた結果,4配位構造種と5,6配位構造種にそれぞれ特徴的なピークを見出し,整理することができた. この結果に基づき,参照試料のXANESの足し合わせや差し引き,XANESのピーク分離を行い,複数の構造種が混在している化合物の中から,それぞれの構造種を定量的に同定する半経験的構造解析法を構築することができた. 一方,SiO2やAl2O3などの金属酸化物にVやNb活性成分を添加した光触媒を調製し,そのXANESスペクトルの測定を行った.構築した解析方法を応用し,触媒活性種だけのXANESを分離抽出し,その局所構造や電子状態を定量的に決定することに成功した.
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