研究課題/領域番号 |
24360341
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
紀ノ岡 正博 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40234314)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再生医療 / 培養組織 / 血管新生 / 薬剤スクリーニング / シミュレーション |
研究概要 |
再生医療産業における品質管理に対する手法構築をめざし,本研究では,心疾患への臨床試験へ展開されている心筋再生パッチ(大腿筋筋芽細胞を用いた細胞シートを移植材とした)を対象に,工学的研究を展開する.平成25年度は前年度までに構築した積層筋芽細胞群シート(充填細胞,流動性を有する足場)と血管内皮細胞(ターゲット細胞)からなる共培養系(培養フォーマット)における,充填細胞の厚み(シート層数)やターゲット細胞の細胞密度の変化が,シート内外部における血管内皮細胞の棲み分け挙動(細胞シート内部におけるネットワーク状集塊の形成,細胞シート上部における島状集塊の形成)に与える影響を,前年度までに確立した立体的画像処理による血管内皮ネットワーク形成解析法を活用して定量的に評価することを通し,上記の棲み分け挙動の発生プロセスを明らかにした.また充填細胞の細胞密度増加が組織内部の流動性を低下させ,血管内皮細胞の挙動(遊走性,形態の伸長)に影響を及ぼすことも明らかになった.以上を通して明らかにされた組織内部における血管内皮細胞の挙動変化に関する知見は,心筋パッチ(移植材)の性能評価(治癒予測モデル)のみならず,流動性を有する組織内部への血管内皮細胞網構築プロセスの実現に対しても重要な知見を提供する.一方,上述の現象を伴うターゲット細胞および充填細胞の挙動変化に対して,コンピューター内での現象把握を目指した「シミュレーター構築」を並行して進め,細胞流動や棲み分け現象を表現可能とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、計画通り、人員の確保ならびに資材を獲得した。その結果、予定通り実施可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究推進において最も重要なことは、研究人員の確保であり、本研究においては、十分に確保できている。今後も、人員の確保を積極的に行ってゆきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度上期に、本事業にかかわる人員が増員されたため、培養実験上必要となる安全キャビネット(約140万円)を平成25年度2月末に購入する計画を立てたが、設置場所の準備が遅れ、購入を平成26年度上期に延期したため。 平成26年度5月に、安全キャビネット購入することで、繰越金を使用する。
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