研究概要 |
5m級小型落下実験施設での微小重力実験用に液滴群要素燃焼装置を構築した.また,低圧雰囲気での実験が可能となるよう減圧容器を含む装置の改良の検討も行った.液滴群要素は,着火用液滴,干渉用2液滴,燃え広がり確認用液滴から成る4つの液滴から構成される.干渉用2液滴の並ぶ直線からある角度をもって離れた位置に燃え広がり確認用液滴を配置することで,干渉燃焼後の燃え広がり限界距離の燃え広がり方向への依存性について調べた.各液滴は格子状に張られたSiCファイバの所定の交点に生成された.燃料には正デカンを用い,初期液滴直径は0.5mmとした.ファイバ発光をもとに温度を計測するTFP法も試みた.TFP法の校正は通常重力場において極細熱電対を用いて実施した.実験の結果,干渉2液滴間隔および燃え広がり方向に依存した燃え広がり限界距離分布が得られた.この燃え広がり限界距離分布について,温度分布の時間変化をもとに考察を行った. 微小重力実験により得られた液滴列の燃え広がり限界距離を考慮したランダム分散液滴群の燃え広がりのパーコレーション計算を実施した.群燃焼発生確率と平均液滴間隔の関係および燃え広がりパターンと平均液滴間隔の関係について詳細に調べた.また,同確率が平均液滴間隔に対して急激に変化する臨界点条件における液滴群パターンについても検討を行った. 実噴霧の低圧雰囲気での噴霧特性を把握し,液滴群要素実験に反映させることを目的に,ガスタービン噴射弁の低圧噴射実験も並行して行った.
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