研究課題/領域番号 |
24360351
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
赤星 保浩 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60222519)
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研究分担者 |
西田 政弘 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (60282828)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 航空宇宙環境 / 微小宇宙ごみ / 超高速衝突 / 二段式軽ガス銃 |
研究概要 |
増加の一途を辿っている宇宙ごみの増加割合を低減させるため、各国が対策を取りつつあるが必ずしも効果が上がっていない。そこで、国際標準化機構(ISO)を通じて抑制する動きがあり、Mandeville氏が平成18年にISOに提案された規格案もそうした活動の一つである。同規格案は平成24年9月11日にISO11227としてIS化された後、3年後に見直し時期を迎えるが、その際には日本が主導して同規格案を修正し、日本の宇宙開発の妨げにならないよう配慮しつつ、宇宙環境保全活動へ貢献するような規格案に改正することを目的とする。ISO11227の見直し時期に、斜め衝突を標準試験の一つとして追加し、さらには衝突時に発生するイジェクタ量の温度依存性確認試験を追記できるようにする。 (1)ISO11227では模擬宇宙ごみを宇宙用材料に垂直衝突させ、ウィットネスプレート上に形成される多数の衝突痕を計測することが規定されている。ISO11227の第5章に規定されているキャリブレーション実験を斜め衝突にした場合、従来補足することができなかったスポールイジェクタを多数補足することができることが分かった。ただし、イジェクタが広がる範囲が垂直衝突に比べて非常に大きいため、ウィットネスプレートの大きさを大きくする必要があることを明らかにした。 (2)従来の宇宙用材料に加え、将来宇宙でも使用される可能性がある材料を中心にイジェクタ量の温度依存性実験を系統的に評価し、ISO文書として適合するような超高速衝突温度依存性評価試験方法について検討を行った。引き続き次年度も実験データを蓄積し、温度依存性実験の必要性を整理する必要がある。 以上の研究内容を、ISOの規格検討会議、Hypervelocity Impact Symposium、衝撃波シンポジウム等に参加し、他研究者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イジェクタ評価試験手順ISO11227が2012年9月11日に発行した。この評価試験手順に含めることができなかった斜め衝突試験、温度依存性試験に関する試験手順を3年度の見直し時に取り入れることができよう、実験条件などの検討を行った。2012年度の研究では試験手順に提案するべき項目をリストアップした。特に、斜め衝突試験では現行のウィットネスプレートの大きさではイジェクタを補足し切れていないことが明らかになり、ウィットネスプレートの大きさを拡大する必要があることを指摘した。さらに45。斜め衝突試験ではウィットネスプレートに飛翔体が通過する穴を設ける必要がなくなり、スポール破片を中心とするイジェクタを漏れなく捕捉することができることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
斜め衝突実験において、実験条件のうち国際規格として細かく規定しなければならない項目を明確化する。簡易速度計測法を考案し、キャリブレーション実験に適用することで計測法としての信頼性の向上を図る。ISO文書として適合するような超高速衝突温度依存性評価試験方法について、実験データを蓄積しつつ、温度依存性実験の必要性を整理する。
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次年度の研究費の使用計画 |
宇宙機関間宇宙ごみ調整委員会は例年3月または4月に実施されるが、2013年は4月に実施される。直接経費次年度使用額はこの委員会に出席するための旅費の一部に当てる。
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