研究課題
本年度は、下記の研究を実施した。(1)スロッシング防止策の開発洋上で天然ガスを生産するための設備であるFLNGでは、LNGの生産時にかならず部分積み状態が発生するため、LNG格納タンク内のスロッシング発生が懸念されている。本研究では、複数タンク間で貨液を移動することにより船体運動と貨液運動の同調を避けるオペレーション方法を提案しその有効性を示した。提案した方法は、安全な液位まで複数タンクにLNGを貯めた後、それらのタンクからターゲットとするタンクに一気にLNGを移送する方法であり、ターゲットタンクにおける危険な半載状態の持続時間を最小限に抑えるものである。数値シミュレーションによりスロッシング発生リスクを半減できることを示した。また、液化天然ガス運搬に用いられるLNG船において、危険なスロッシングを発生させないためには、タンク内貨液と船体運動の同調を避けることが最も重要である。本研究では、航海域の波浪特性、船体運動の特性とタンク型式によるスロッシング特性を考慮して、航海時の安全性を評価する簡易なクライテリアを検討した。今後、実海域を航行するLNG船の運航安全性評価の実用的な指標として広めていきたい。(2)新型式タンクのスロッシング数値計算法の研究LNG船の大型化に伴って、タンクの容積効率を改善する目的で円筒と球形を組み合わせた新型式タンク(ストレッチタンク)が提案されている。本研究では、球形およびストレッチタンクに発生するスロッシングを効率的かつ精度よく数値計算するツールを開発した。研究成果はすでにいくつかの国際学会等に論文投稿しており、広く公表する予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件) 備考 (1件)
International Journal of Offshore and Polar Engineering
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26th International Offshore and Polar Engineering Conference
Practical Design of Ships and Other Floating Structures
25th International Offshore and Polar Engineering Conference
巻: 1 ページ: 898-904
19th International Ship and Offshore Structures Congress
巻: 2 ページ: 591-618
29th Asian-Pacific Technical Exchange and Advisory Meeting on Marine Structures
巻: 1 ページ: 190-197
巻: 1 ページ: 346-350
http://ias.ynu.ac.jp/research/arai.html