研究概要 |
本研究では船舶設計の更なる向上のために,設計者による設計プロセスの検討を支援する設計支援環境を構築する.具体的には,船舶設計を以下の4つの段階に分けて考える. 1)設計プロセス計画(Plan):設計ステージの構成や,各ステージで検討すべき設計変数,制約条件,目的関数等を入力する. 2)概略的製品設計実施(Do):対象となる設計領域の数点において概略的な製品設計を実施する. 3)設計プロセス評価と設計知識の抽出(Check):上記2)の結果に基づき,情報間の制約関係,依存関係および設計変数が制約条件等に与える影響度を抽出する.これに基づき,設計プロセスの特徴(早く解を得られる,最適解に到達しやすい,設計の手戻りの可能性が高い,など)を把握する.4)設計プロセスの改善と本格的製品設計の実施(Act):上記3)の結果に基づき,設計ステージの構成や設計変数の決定順序を変更する.この新しい設計プロセスに基づき本格的製品設計を実施する.つまり,製品設計を実施する前に,設計プロセスの特徴を把握し改善する機会を提供する.これにより,船舶設計プロセスの検討を支援する設計支援環境を構築する. 本システムは,3つのサブシステムから構成されるが,本年度はバルクキャリアーの主要目設計に着目して,以下の2つのサブシステムのプロトタイプを開発した. ・設計プロセス定義支援システム:システムの利用者が設計プロセスを記述するためのインターフェスとなる部分であり,設計プロセスは本システムが管理する. ・設計プロセス分析支援システム:実験計画法等を利用して,設計情報間の定性的・定量的関係を構造化し,設計プロセスの特徴や情報間の関係を可視化して設計者に提示する.
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